大型犬は大きく育てる??
ジャーマンシェパード、ドーベルマンなどの大型犬が好きな愛犬家は、どちらかというと、犬をできるだけ大きく育てたい、という気持ちが強いようです。この気持ちはよくわかります。私も、大型犬の魅力の一つは、その大きさにあると思っていますから。大型犬好きの方が、犬にもっともっと大きくなってほしい、という気持ちは、ある意味自然であり、当然のことだと思っています。

また、自分の気持ちとは別に、前回ご紹介したような、心ない獣医さんや、また大型犬をよく知らない散歩で出会った方などから、大型犬にしては、小さいですね、やせ過ぎじゃないですか、などと言われると、ショックであったり、気分を悪くしたりすることも確かです。
@ペット・トライアングルにも、ジャーマンシェパードのメス、サラが看板犬としています。サラは、実は重度の股関節形成不全で、それが私が引き取る理由にもなったわけですが、股関節が両側ともほとんど脱臼状態です。でも、形成外科、特に股関節形成不全に関しては、全国トップレベルの川瀬獣医科病院の先生の指導により、現在、歩くことも、ジャンプも、散歩も普通にできるし、一般の生活には全く支障がない状態です。
この状態を維持するために、体重を必要以上に重くしない、つまり食事のコントロールなどで、太らせないようにすることを意識しています。決してやせ過ぎという状態ではないのですが、散歩に行くと、よくやせ過ぎじゃない、ということを言われ、ちょっと気持ちが落ち込んだりもします。でも、獣医さん、ブリーダーさんに診てもらうと、全く問題なく、ちょうどいいと言われます。
このようなこともあり、自分の犬は成長が悪い、やせ過ぎ、小さいのではないか、と飼い主さんが思うようなってきてしまうケースも、けっこうあるようです。
大型犬に関しては、一般の獣医さんの中にも、知識のない獣医さんがかなりいるようで、また一般の方は、よりその傾向が強いようです。こういった、知識不足の人の言葉は、気にしないようにしなければいけないのですが、難しい時もありますよね。
まず、しっかりと認識しなければいけないことは、大型犬は、大きく育てなくても、時期がくれば、しっかりと大きくたくましく育ってくれるということです。
大型犬の場合、体が完全に出来上がるまでは、3年かかります。生後半年~1年で体高的に成犬に近い大きさになってきますが、胸の厚さや肉付きはその後、少しづつついてきて、体高もまだ伸びていきます。
前回ご紹介したように、ウルフハウンドなどの超大型犬になると、生後5年まで成長が続くこともあるそうです。
これが自然の成長の過程ですが、飼い主さんの気持ちとしては、早く大きくなってほしい、という気持ちがどうしてもあり、たくさん食べさせたり、栄養のあるものをたべさせたり、プロテインなどのサプリメントを与えたり、という方も少なくありません。
気持ちはよくわかりますが、逆に、それによるワンちゃんに対する悪影響もないとも限りませんので、注意が必要です。大型犬の場合、うちのサラのような股関節形成不全の問題もあります。股関節形成不全は、遺伝的な要素と後天的な要素があります。
人為的に大きく育てようとした場合、骨格の成長と肉体の成長のずれが生じたり、骨格の成長でも部分的にズレが生じたりすることがあります。これが、股関節形成不全のような間接系の疾患につながることも指摘されています。
また、栄養過多による皮膚障害が発生したり、その他の疾病の原因ともなりかねません。
そして愛犬の寿命を縮めかねないことにもなるようです。一般にショードッグといわれるワンちゃんは、見栄えを良くするため、体作りが大切になります。したがって、サプリメントなども使用して、かっこいい体を作っていきます。でも、そのためか、一般のペットとして飼われている同犬種のワンちゃんより、寿命がかなり短いと言われています。
ブリーダーさんに言わせると、子犬の時に小さくて貧弱に見える子犬でも、3年立てば、見事に成長して、見違えるような犬になるとのことです。
子犬のうちは、自然に任せて成長させて、むしろ太り過ぎに注意、前述の川瀬獣医科病院の先生も、大型犬の場合、生後1年までは、見た目はやせ過ぎくらいでちょうど良い、とのことをおっしゃっています。
大型犬は、いやでも時期が来れば大きくなります。早く大きくしたいという気持ちは、痛いほどわかりますが、少し我慢して、自然に任せましょう。
前回ご紹介のように、獣医さんに小さい、これ以上大きくならないなどと言われたら、本当に心配になってしまいます。また、周りの人から、小さい、やせ過ぎと言われれば、気分が落ち込んでしまうかもしれません。でも、そんな時は、ブリーダーさんに見せに来て下さい。同じ年頃の犬がいれば、比べられるし、成犬の大きさも確認できます。
また、ショーに出そうとした時に、大きすぎる犬、つまりオーバーサイズだと、ショーに出すこともできません。その犬種ごとのスタンダードを知るのも良いかと思います。
私も大型犬大好きなので、大型犬好きの方の気持ちもよくわかります。でも、生後3年までは、誰から何を言われようと、じっくりと成長を見てあげましょう。心配なら、大型犬を多数扱っている前述の獣医科病院やブリーダーさんに見せにいくことが一番です。
さて、今回は大型犬について書きましたが、逆に、小型犬の場合には、小さく育てたい、という方が多いようです。この点についても、今後、改めて触れてみたいと思います。
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